フリーランスのITコンサルタントは、自分のペースで仕事ができる、やりがいのある仕事です。しかし、仕事の獲得や顧客との交渉など、様々な課題もあります。フリーランスのITコンサルタントを目指す方は、これらの課題を理解した上で、準備を万全にする必要があります。
今回の記事では、現在会社勤務しているITコンサルタントが独立、またはフリーランスとして活躍したい方向けに、メリットやデメリット、ITコンサルとして独立するために必要なスキルなどを解説していきます。
ITコンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決することです。そのためには、まずクライアントが何に困っていて、何を求めているのかを理解する必要があります。その上で、クライアントの要望に沿った解決策を提案する必要があります。
ITコンサルタントは、クライアントの課題を解決するために、企画を立案し、実行する必要があります。その企画をクライアントに伝え、納得してもらえるプレゼンテーション能力が重要です。また、プロジェクトには多くの人が関わるため、スタッフをまとめられるだけのリーダーシップも必要です。
ITコンサルタントとして成功するためには、得意分野を明確にし、アピールすることが重要です。得意分野を明確にすることで、クライアントに価値を提供できるようになります。また、組織内でも評価が高まり、プロジェクトへのアサインが途切れる心配がなくなります。
ITコンサルタントは、顧客満足を求め、仕事のやりがいに自己陶酔してしまうと、体力の限界に達するまで、疲労を感じなくなることがあります。また、フリーランスになると労働基準法の対象外になるため、誰も注意やブレーキをかけてはくれず、気づいたときには体調不良に陥ってしまう可能性もあります。
・勤務間インターバルを守る
・定期的に休息をとる
・健康的な食事をとる
・適度に運動する
・ストレスを解消する
など、自分の健康を守るために、これらの自己管理を心がけることが重要です。
自分のライフスタイルやキャリアをより自由にコントロールしたい方、自分のスキルや経験を活かして、よりやりがいのある仕事に取り組みたい方、自分のネットワークを広げ、より多くのチャンスを得たい方には、ITコンサルタントとして独立するメリットが多くあります。
独立をすると、クライアントから得られる報酬はすべて自分のものになります。報酬から必要経費などを差し引いたとしても、大部分のお金を自分の収入にできます。
独立をした当初は、サラリーマンの頃よりも収入が減少するケースが多いです。これは、独立したばかりの頃は、クライアントを獲得するまでに時間がかかるためです。しかし、独立後に徐々に実績を積み重ねて、高単価の案件を獲得できるようになれば、以前よりも収入が増えることが期待できます。
一般的には、500万円~1,000万円が相場と言われています。しかし、より高い年収を稼ぐことも可能です。経験やスキル、得意分野などによっても大きく異なるため、効率的に年収を上げたい方は、高いスキルと経験を身につける、特定の分野に特化するなどのポイントを押さえておくことが大切です。
独立をすると、正社員と比較して自由なスタイルで仕事ができるようになります。これは、独立すると誰にも縛られることはなく、指揮命令されることもなくなるからです。そのため、自分のペースで仕事を進めることができ、自分の好きな時間に、好きな場所で仕事をすることができます。
しかし、独立して自由なスタイルで仕事ができることは、非常に魅力的です。しかし、独立にはリスクも伴います。独立する前に、メリットとデメリットをよく検討し、自分のライフスタイルやキャリアに合っているかどうかを判断することが大切です。
ITコンサルタントがフリーランスとして独立することで生じる主なデメリットは次の3つです。
・収入が安定しない
・激務になってしまう可能性がある
・社会的信用が低くなってしまう
ここまではメリットについてお話してきましたが、デメリットについてもしっかり把握していきましょう。
会社勤めであれば、基本的には毎月一定の給与を受け取ることができますが、独立すると、案件の数と報酬の金額によって収入が決まります。そのため、案件を獲得することができなければ収入は減少しますし、案件が途中で打ち切られてしまうケースもあるかもしれません。独立することによって自由に働くことができる点は魅力的です。しかし、収入が安定しないというリスクがあることを理解しておくことが大切です。
独立することで時間にある程度の自由を得られる反面、作業を全て一人でこなさなければいけないうえに、納期やスケジュールを厳守する必要もあります。また、ITコンサルタントは顧客のさまざまな要望に応える必要があるため、顧客に振り回されがちです。自分のペースで仕事を進めることができない場合も多く、結果として激務になってしまう可能性もあります。月間70~80時間程度の残業が当たり前になることもあります。高年収・仕事のやりがい・充実したキャリアパスなどの裏には、こういった苦労があることへの覚悟も必要です。
フリーランスとして独立した直後は収入の不安定さから「社会的信用が低い」と判断されることがあります。結果としてクレジットカードの契約ができなかったり、ローンの審査が組めなかったりといったケースも比較的多いようです。ただ、あくまで「難しい」のであって、100%できないというわけではありません。確定申告を慎重に行う、預貯金額や資産を増やす、各種支払いの遅延をしないように注意するといったことがしっかりできれば、社会的信用を上げることにつながり、住宅ローンの契約やクレジットカードの発行をすることは可能です。
今回は、ITコンサルタントが独立するときに必要なスキルや、独立のメリット・デメリットについてご紹介しました。独立した際には、一時的に収入が不安定になったり、社会保障が受けられにくいことや、孤独感を感じるなどのデメリットがあります。しかし、しっかりと実績を積んで積極的に活動すれば、これらのデメリットを克服し、自由な働き方を実現しながら、大幅な収入アップが期待できます。
ネットワーク社会の拡大やDXへの社会的関心の高まりにより、ITコンサルタントへのニーズは高まっているため、自分の努力次第では大きな成功を収めることができると言えます。もし、フリーランスに興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。